ウォーキングしながら考えること

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ウォーキングしながら考えること——40代独身男性の頭の中

仕事終わりや休日の夕方、特に目的もなく歩く時間が増えた。健康のためと言えば聞こえはいいが、実際は「じっとしていると余計なことを考えすぎるから」というのが正直な理由かもしれない。40代、独身。自由ではあるけれど、自由すぎる時間は時に扱いが難しい。

歩き始めてまず浮かぶのは、仕事のことだ。今日の会議のやり取り、あの発言は余計だったかもしれないとか、あの若手の成長スピードはすごいなとか。20代や30代の頃は「自分がどう評価されるか」ばかり気にしていたのに、今は少し違う。「自分は何を残せるのか」という視点に変わってきているのを感じる。

少し歩いて呼吸が整ってくると、今度は生活のことに思考が移る。帰ったら何を食べるか、冷蔵庫に何があったか。誰かと食卓を囲むわけでもないから、適当でいいはずなのに、なぜかちゃんと考えてしまう。健康診断の数値も気になる年頃だし、結局バランスのいいものを選ぶ自分に苦笑する。

さらに歩き続けると、不思議と過去の記憶が顔を出す。学生時代の友人、昔付き合っていた人、あのとき別の選択をしていたらどうなっていたのか。答えが出ない問いだと分かっていても、こういう時間に限って考えてしまう。でも、以前ほど後悔や焦りに引っ張られなくなったのは、年齢のおかげかもしれない。「まあ、これも自分の人生だ」と、どこかで折り合いをつけられるようになった。

折り返し地点を過ぎる頃には、少しだけ未来のことを考える。5年後、10年後、自分はどうしているだろうか。今と同じように一人で歩いているのか、それとも誰かと並んでいるのか。正直なところ、どちらでもいいと思っている自分がいる。ただ、「悪くない」と思える日々を続けていたい、その気持ちははっきりしている。

ウォーキングのいいところは、考えがまとまらなくてもいいことだ。結論を出す必要はない。ただ、頭の中に浮かんでは消えていく思考を、足のリズムに合わせて流していくだけ。それだけで、少し軽くなる。

家に近づく頃には、最初に抱えていたモヤモヤの輪郭がぼやけている。問題が解決したわけではないけれど、距離ができた分だけ、扱いやすくなっている気がする。

40代独身男性のウォーキングは、運動というよりも「思考の整理時間」なのかもしれない。歩きながら考え、考えながら歩く。その繰り返しの中で、今日も自分なりのバランスを探している。

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